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健脚東京人

こないだの日曜日、久しぶりの東京定例会があったので、東京に出かけた。と言っても、東京定例会はいつも神奈川県の武蔵小杉でやっているので、新幹線は新横浜で降りるのだが。

関西から東京・横浜あたりに行くたびに感心するのは、東京の人たちの足の強さである。この日も、新横浜から菊名でJRを降りたとき、一緒に降りた乗客のほとんどが、少し離れたところにあるエスカレーターを見向きもせずに、ためらいもなく近くにある階段を選び、もくもくと登り始めたのを見て、感心した。わが地元神戸・明石周辺だと、たぶんすくなからぬ人が電車を降りるなり、きょろきょろしてエスカレーターを探し、そちらを登り始めるだろう。地方人は足に自信がないのである。

最近までつみきの会の東京オフィスがあった広尾に行くときも、いつも東京人の健脚ぶりに感心させられた。地下鉄広尾駅には、エスカレーターがない。エレベーターもたぶんない。階段はおそらく50段くらいはありそうだ。それを皆、のろのろと、ではなく、てきぱきと登っていく。田舎暮らしで足がなまっている私としては、このスピードについていくのも、最初は大変だった。

しかも階段を登り切った時。この登り切った時こそ、東京人の真価が発揮される。われわれなら、長い階段を登り切った時、やれやれ、と一休みしたくなるのである。しかし東京人は休まない。後ろからどんどん人が来るからだ。長い階段を登り切った後、一瞬とも休むことなく、直ちに同じスピードで前進し、自動改札をさっと通り抜けるあのスピード。最初は驚嘆したものだ。自分も負けてはならじ、と、次からは広尾に来るたびに、頑張って階段を登り、登りきったところで疲れた足に鞭打って、何とか足を前に出すのに必死だった。毎月一回、これを続けるうちに、いつしか、私も平気で足が前に出せるようになった。健脚東京人の仲間入りである。

その広尾の東京オフィスは、経費削減のため、9月で引き払った。月に二回しか使っていないのに安からぬ家賃を払っていたのだから、元々無駄が多かったのだが、もう広尾に行くこともないかと思うと、寂しい。いまはせめて、新幹線の登り階段をせっせと登って、足を鍛えている。
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Author : 藤坂龍司

2000年から、ABA家庭療育に取り組む親の会であるつみきの会の代表を務めています。自閉症の一人娘と妻と三人暮らしです。

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